アルバイト・パート
遅刻が多いアルバイトにペナルティを課したいと考えています。賃金をカットすることは可能でしょうか。
●遅刻者の賃金カット
「一回の遅刻につき、罰金10万円」など多額の減給制裁を科すことは労働基準法により許されません。ただし、就業規則で「減給の制裁規定」を定めておき、労働基準法に定める制限を超えない範囲内で賃金を減額することは可能です(労働基準法第91条)。例えば、「遅刻3回につき○×円を賃金から差し引く」と定めることはできます(1事案について平均賃金1日分の50%、1カ月分の賃金の10%を超えないことが要件)。
また、欠勤、遅刻などによって就労しなかった分の賃金は差し引いても問題ありません。5分の遅刻を5分ぶんだけカットすることはノーワーク・ノーペイの原則(職務に従事しなかった期間・時間については、賃金を支払わなくてもよい)に反しませんが、5分の遅刻を30分の遅刻としてカットするような処理は違法となります。
少しの遅刻に対してあまり多額の減給をすることは法の趣旨にも反しますし、労務管理上良い効果があげられるか十分検討する必要があります。
●連絡がつかない者へ支払う賃金
勝手に辞めたり、連絡もなく急に来なくなった労働者に連絡がつかないため給料が支払えないという場合は、給料の支払いを振込とする契約をしていて、振込先が分かっているときは、給料日に振り込んでおくべきでしょう。
そうでない場合は、本人がいつ取りに来ても支払えるようにしておかなければなりません。賃金の支払いの時効(賃金の請求権)は2年(労働基準法第115条)ですので、この間に本人が給料を取りに来た場合は、支払わなくてはなりません。なお、退職金についての時効は5年です。
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