人材採用
採用面接する時に気を付けなければならないことは?
●応募者とは対等の立場で
採用面接者として最も大切なことは、応募者と対等の立場に立って接するということです。面接する側は、応募者が委縮せず、本来の姿を出せるよう迎えましょう。
客先からのクレームやトラブルに上手く対応できるか、打たれ強いかを判断するために、圧迫的な態度で面接を行うこともあるようですが、場合によっては人権侵害やパワーハラスメントととられる可能性もあるため注意が必要です。面接で相手に不信感を抱かせては元も子もありません。
横暴な面接官の対応にショックを受け、他の企業へ応募することも怖くなり就職活動が進められなくなったという応募者もいます。採否に関わらず、対等な立場での面接をお願いします。また、求人広告の内容と異なる説明は基本的にはしないようにしましょう。例えば、求人広告には経験不問と記載しているが、経験者の応募が多数あったなどの理由で、面接では「経験が必要」と求人広告とは異なる応募資格を伝えたり、募集職種では採用できないが、別の職種を紹介するなど、親切心からでも、相手の捉え方でクレームやトラブルになってしまうおそれがあります。
●聞いてはいけない質問
①人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地など
②人生観、社会観、生活信条、支持政党や宗教等、思想・信条
③労働運動や学生運動、消費者運動などの社会運動
④家族の職業や収入、住宅事情、資産などの家庭環境や家族構成
職務に支障をきたすような既往歴がないか、面接で聞くことは禁じられていませんが、一律に排除せず現在の状況やケアなど聞いて、個別に判断するようにしてください。
2014年5月施行の自動車運転処罰法では、特定の病気などによって死亡事故を起こした場合の罰則が強化されたため、入社時に病気の有無を確認する場合もあると思います。差別につながらないよう確認の際は業務との関連性があることをていねいに説明してください。
●面接する前に
①話しやすい雰囲気を作りましょう
応募者は緊張状態にありますので、「今朝の行動」や「交通経路」など、応募者が話しやすいような話題から入りましょう。
②企業側から自己紹介を
まず、会社の現状や事業展開などを説明し、その印象を聞くなど、答えやすい質問設定をしましょう。他社で働いているなら、その仕事の流れを順に聞いていったり、転職理由など相手の立場を配慮しながら十分話を聞き、本音を聞き出し、ポジティブな理由があるかどうか、日々の不満がどこにあったかを聞いていきます。
③事実に即した行動などを聞く
抽象的な質問や価値観などの質問からは、論理的能力は分かっても、人物・人柄など本当の姿は分かりにくいものです。課題や成果を聞き、応募者の能力の範囲を確認しましょう。
④入社したら何をしたいか
募集職種が一つしかなくても、あえてこの質問を行うことによって目標やステップアップの具体的なイメージを聞きます。
⑤最後までていねいに
不合格と判断しても、最後までていねいな面接を保つことが貴社の好印象につながります。応募者は将来の顧客なのですから。
※応募者の対応に関する不満の苦情や相談が最も多く寄せられています。面接は、直接会って話をする機会だけにその印象はプラスにもマイナスにもなりますので、しっかり準備を整えて臨むようにお願いします。